歯科について

全身疾患を伴う高齢者では、口腔衛生や摂食機能の維持が困難になるため、呼吸器の感染症や低栄養などの合併症が発生することがあります。
当科では、一般的な歯科疾患の治療に加え、高齢者の口腔機能低下症や嚥下障害の治療、誤嚥性肺炎予防を目的とした口腔ケアに力を入れています。

歯科外来

歯科受診を希望される場合も、病院の外来受付にて受付を行ってください。

診療時間のご案内

当診療室は予約制となっております。

月曜~土曜 午前 9:00-12:00
午後 13:00-16:30
休診日 日曜・祝祭日

口腔機能低下症への対応

口腔機能低下とは、加齢や全身疾患により口腔内の「感覚」「咀嚼」「嚥下」「構音」「唾液」の機能が少しずつ低下してくる症状です。口腔機能低下のなかには適切な治療や訓練で回復可能なものも少なくないことから、早期発見で重症化を予防し、生涯にわたり、食べることを楽しみ、会話に花を咲かせることができます。万成病院歯科は簡単な検査で「口の衰え」を診断し、適切な対応を提供させていただくことで、笑顔が続く健康長寿を支えます。歯科医師は、岡山大学病院の診療科(歯科)部門から「歯周科」、「クラウンブリッジ補綴科」、「スペシャルニーズ歯科センター」のそれぞれの専門医や認定医が勤務しており、様々な難症例に対して専門的な視点から治療を提供しています。

摂食嚥下障害に対する画像検査と摂食機能療法

摂食が困難な認知症の方や飲み込みの機能が低下している方に対して、安全に口から食べることができるように指導しながらリハビリテーションを行います。詳しい検査が必要と判断される場合には、医師、放射線技師、看護師、栄養士と連携しながら嚥下内視鏡検査(VE)や嚥下造影検査(VF)を行います。歯科に配属した言語聴覚士が個々の症例に対応したプログラムを立て、摂食機能療法を行っています。

嚥下内視鏡検査
(VE: Videoendoscopic Evaluation Swallowing)

鼻の穴から内視鏡を挿入し、喉の中の飲み込む動作を直接、映像で確認します。その場で飲み込みの状態を検査するものです。食物が通過する喉の部分にどのような異常があって、どうしたらよいか必要な情報を得ることが検査の目的です。

嚥下造影検査
(VF: videofluoroscopic examination of swallowing)

X線で写るようにバリウムを含んだゼリーやとろみ水、クッキーなどを用いて飲み込みの様子を調べます。口から喉、食道へ食物がどのように通過するかなどがわかります。現在の症状が食物の通路にどのような異常があって、どうしたらよいか必要な情報を得ることが検査の目的です。誤嚥(肺に食べ物が入ってしまう状態)の有無の確認も行います。リハビリテーションで必要な訓練をその場で行い、効果をみる事もできます。喉の通過が不良な場合には、バルーン法と言って狭い部分を広げる手技を行うこともあります。